試合風景

 16日、3回戦へと戦いの場を移した選手権東京都大会1次予選。曇天の駒沢第二球技場で行われた都立勢対決、都立武蔵野北都立立川の一戦は70分間での決着を許さず、PK戦までもつれ込む熱戦となった。

 熱戦の開始を告げたのは都立武蔵野北に生まれた電光石火の先制点。
 開始わずか30秒、相手GKのクリアボールを高い位置で拾った都立武蔵野北MF山口天真がロングシュート。積極果敢に放たれた一撃は、必死にゴールマウスへと戻るGKを余所に、無人のゴールへと吸い込まれ都立武蔵野北が先手を奪った。

 DFラインを低い位置に構、え時には5バックとも見て取れる布陣でスタートした都立武蔵野北。開始早々の先制点が効いたのか、立ち上がりは堅実な守備からショートカウンターが冴えた。10分には、再び高い位置でボールを奪うと最後はMF北野督がミドルシュート。追加点とはならなかったものの良い形での攻撃が続く。

 一方、4-4-2の布陣を敷いた都立立川
 出鼻をくじかれる形となったが、徐々に本来のリズムを取り戻し反撃を試みる。2トップを組むFW斎藤晶とFW黒川尚暉が前後の関係性を築き、ボールの収まりどころとして機能。両サイドを務める選手の攻撃参加も散見し都立武蔵野北ゴールへと迫った。

 すると待望の同点ゴールは思わぬ形から。
 12分、CKが相手GKのミスを誘い直接ゴールイン。運も味方し、都立立川が同点に追い付く。さらに、直後には右サイドを崩し、グランダーのクロスからFW黒川尚暉が絶好機を迎えるが、これはクロスバーに嫌われ一気に逆転には至らなかった。

 その後、序盤の激しさとは対照的に落ち着きを見せた試合は1対1のまま進んでいく。
 互いに中盤を省略した縦に速さを求める攻撃が目立ち、それに伴ってロングパス等にミスが生まれた印象。両チーム共に前線の選手が次々に相手DFラインの背後のスペースを狙うが、好タイミングで供給されたパスは数えきれるほど。共にゴールに直結する決定的な一本に欠け、試合はハーフタイムを迎えた。

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