田口の同点ゴールは相手守備陣の背後に走り込み、胸トラップ一発でシュートしやすい位置にボールをコントロールし、GKの出鼻をかすめるように決めた。

 そして、森の逆転ゴールはセカンドボールにいち早く反応し、GKが前に出ているところを見逃さず、ドライブシュートでネットを揺らした。

「力関係からいって相手にボールを持たれるのは仕方がないと思っていた。そのなかでも一瞬のスキをねらおうと、選手たちに伝えていた。先制したところまでは、こちらのイメージどおり。でも、さすが伝統校。リードされたときにどうするか。試合の運び方とか、終わり方とか、こちらが思い描く以上の解決策を持っている。学ぶべきところの多い試合だった」と、松本国際の勝沢勝監督は勝者をたたえた。

 2-1のままスコアは動かず、後半のアディショナルタイム2分が経過し、ついに試合終了のホイッスルが吹かれた。

「四中工のあるべき姿を見せたい」と繰り返し語っている伊室監督は「サッカー部OBや学校関係者から励ましていただいて、本当に勇気づけられている。謙虚に、そしてありがたみを感じながら前に突き進んでいきたい」と、意気込んでいる。

(文=編集部)

▽第98回全国高校サッカー選手権大会
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