序盤ボールを握ったのは仙台育英。しっかりと守りを固めながら、大きなボールを放り込み、セカンドボールを拾って攻撃につなげる。前半5分には、右サイドの16番明石に展開し、そのままクロスを15番佐藤にあげる。ヘディングで合わせるも、上手く力が伝わらず。対する高川学園はボールを奪った後の素早いカウンターで対抗。20番FW河野の落としをMF6番眞田と7番新山でサイドへ展開。右では9番土井が、左では11番野田がドリブルを仕掛け、突破を図る。しかし、何度かクロスは上がるもののシュートには至らない。お互いに前からの積極的なプレッシャーで自由にボールを持たせず、拮抗した展開のまま0-0の同点で前半を折り返す。

後半は、高川学園ペース。前半から繰り広げられていた、空中戦。そしてセカンドボールの取り合いで違いを魅せたのは高川学園7番新山だ。空中戦では体格の勝る相手に競り勝ち、何度もセカンドボールを拾い、チームの攻撃につなげた。しかし試合を動かしたのは仙台育英。後半32分に左サイドで11番豊倉がボールを持つと右足でアーリークロス。そのボールは途中出場の13番吉田の頭にピタリと合い、ゴールネットを揺らした。

追いかける展開になった高川学園は途中出場の12番関をターゲットに得点を目指すも一歩届かず。試合はそのまま1-0で終了した。お互いに特徴が出る好ゲームとなったこの試合。「昨日の練習から輝いていた」という途中出場13番吉田が監督の期待に応えたゴールで勝負を決め、1-0で仙台育英が3回戦に駒を進めた。

(文・写真=堀井優真)

▽第98回全国高校サッカー選手権大会
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