後半も神戸弘陵の勢いは衰えず、後半4分には沖吉のパスを受けたMF8田中 祉同(1年)がDF2人をかわしてミドルシュート。GKが弾いたボールをFW14松野 隼輝(2年)が冷静に押し込んだ。後が無くなった明秀日立は、「何かガラっと変えたかった。”もう攻めるしかないぞ”と伝えたかった」(萬場監督)と攻撃の3選手を同時に入れ替えて、反撃を開始。フレッシュな選手の働きによって攻撃が活性化すると、12分にはFW16海老原 拓弥(2年)の右クロスをFW18根本 琳生(1年)が頭で合わせて、1点差に詰め寄った。
ここから明秀日立は守備でも3バックから4バックに変更し、相手に自由を与えていたサイドをケアしながらも、果敢な仕掛けを披露。サイドアタックによって得たCKから同点ゴールを狙ったが、神戸弘陵のゴールネットを揺らせない。粘り強い守りで我慢の時間を凌いだ神戸弘陵は、33分にはMF24徳弘 匠(2年)のパスからPAを抜け出した田中 祉同が倒され、PKを獲得した。キッカーに名乗り上げたのは主将の沖吉。「予選の決勝では右に蹴っていた。分析されていたら右に飛ばれると思ったので、予選が終わってからPKは真ん中に蹴るようにしていた。俺ならできる、蹴ったらみんなの所に駆け寄っていく良いイメージだけを持っていた」と思い切りよくゴール中央に蹴りこんだキックが決まり、3点目をゲット。終了間際に2失点目を許したが、リードを保ちタイムアップを迎えた。
(文・写真=森田将義)
▽第98回全国高校サッカー選手権大会
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