熊本国府は苦戦を想定していたものの、前半のうちに連続失点を許すのは想定外。DF3松元 俊介は「前半は無失点で抑えて、後半に勝負するつもりだった。早い時間帯に失点し、リズムが作れないまま追加点を与えたのが痛かった」と無念を口にする。出だしに躓いたものの、29分には右サイドをMF7毎床 玲音(2年)、MF11免田 青樹(2年)と繋ぎ、最後はFW久野 海静(3年)が強引にゴール前への侵入を試みたが、帝京長岡DFに遮られ、シュートが打てなかった。
攻撃陣の活躍が目立った帝京長岡だが、古沢徹監督が「選手が怖がらずに1対1を挑んでくれた」と称えたようにDF5丸山 喬大(3年)を中心に集中力を切らさず、ピンチを回避。タイミングを見て最終ラインから繰り出すDF4吉田 晴稀(3年)の持ち上がりも攻撃のアクセントになっていた。攻守ともに理想的な展開で後半も試合を進めると、後半28分には川上のフィードから右サイドを攻略。途中出場のMF24鈴木 遼平(3年)が受けたボールを田中がゴール前に入れた。このチャンスに反応したのは、エースの晴山。「田中から良いボールが上がってきた。ヘディングの練習は1日100本くらいやってきたので、成果が全国大会で出せて良かった」と振り返るダイビングヘッドが決まり、リードは3点差とした。
36分にはゴール前に入った左CKは熊本国府のDFにクリアされたが、DF3吉田 勇介(3年)に当たって再びゴール前へ。咄嗟に反応した鈴木がゴールを狙ったが、GKに阻まれた。松元が「中央の崩しの速さや、3人目の飛び出しに対応し切れなかった」と口にするほど華麗な攻撃を見せ続けた帝京長岡がそのまま3-0で試合を終え、3回戦へと駒を進めた。
(文・写真=森田将義)
▽第98回全国高校サッカー選手権大会
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