そして77分、左サイドの高い位置で相手からボールを奪ったMF左合修土が、そのままゴール前まで持ち込んで追加点を決めた。そのまま2-0で試合終了となった。
敗れた鵬学園のキャプテンMF河村怜皇は「前半は精神的なダメージがあった」と振り返った。先制点を奪われたあと、初戦で値千金の同点弾を決めて、この日はスタメンに名を連ねたFW坂本健太が17分で負傷交代したことを痛かった。初戦でジャイアントキリングを起こした、その次に勢いを継続できなかったことについても「そこも経験不足。後輩たちには、この経験を生かして欲しい」と思いを託した。
勝利した矢板中央は準々決勝へ勝ち進むと共に、ようやく無失点試合を達成した。県大会から通じて、これまですべての試合で失点していたことを高橋健二監督も気にしており、試合前にチーム全体で「今日こそぜろでいこう!」という声をかけていたという。先制点を決めた西村は「前からのプレスで相手のパスコースを限定させる守備ができた。」と手応えを話しており、相手よりも1試合多い日程についても、さすがに後半はやや出足が鈍ったとはいえ「1年間、ボールを使ったメニューで鍛えてきた。そこは問題ありませんでした」とタフさも見せた。結果と共に内容面でもいい流れを作って、ベスト8へ挑む。
(文=雨堤俊祐 写真=堀井優真)
▽第98回全国高校サッカー選手権大会
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