ここまでゴールラッシュを続けてきたが、CKでの得点は、今回が初めて。「トーナメントでは、セットプレーでの一点が重要になってくる」と川口監督が口にする待望の形で均衡を崩すと、22分にも左サイドで奪ったFKをニアに走りこんだFW12岩本 悠輝(3年)が頭ですらして2点目をマークした。40分には井堀のパスを受けた松村が右サイドをドリブルで二人かわし、ゴール前にクロス。PA中央で待ち構えた岩本が冷静なヘディング弾を決めた。サイドからの崩しのお手本と言える奇麗な形で、川口監督は「あれが彼(松村)の持ち味。いつもはセンタリングの精度が低いけど、今日はバッチリ合いました」と口にした。
後半から徳島市立は、3-4-2-1の布陣からボランチの川人を一列上げた3-3-2-2へと変更。ロングボールを高い位置でしっかりと収めることで反撃の糸口を探ったが、思うように相手ゴール前まで運べず後半のシュートはゼロ本。後半16分には右ロングスローから見せ場を作りながらシュートが打てずに終わると、カウンターからピンチを招く場面もあった。膠着状態が続いたが、後半30分には松村が左サイドを破ってゴール前にパス。DFに当たったこぼれを岩本が豪快に決めて勝負あり。4-0で勝利した静岡学園が24年ぶりの日本一にまた一歩前進した。
(文・写真=森田将義)
▽第98回全国高校サッカー選手権大会
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