圧倒的な攻撃力でトーナメントを駆け上がる静岡学園の勢いは止まらず

(文・写真=森田将義)

 ここまでの3試合で奪ったゴールは、11ゴール。圧倒的な攻撃力でトーナメントを駆け上がる静岡学園の勢いは、準々決勝の徳島市立戦でも止まらなかった。

 夏のインターハイ同様に堅守を武器にベスト8入りを果たした徳島市立は、「相手が上手な子ばかりなのは分かっていたので、今年はよく帝京長岡さんとやらせてもらっていた」(河野博幸監督)と全国の舞台で静岡学園のような技巧派チームと対戦するのは想定済み。積み上げてきた経験とここまで無失点を維持する5バックでの戦いを継続して試合に挑み、序盤は相手の突破口を封じた。

対する静岡学園は、「放り込んでも弾き返されるので、足元で勝負。技術とアイデアで勝負しようと話していた」(川口修監督)。チームのストロングポイントである右のMF10松村 優太(3年)と左のMF14小山 尚紀(3年)によるサイドアタックが警戒されると想定し、外を仕掛けて相手を広げてから、中で勝負を仕掛けるつもりだった。だが、MF4川人 太陽(3年)が「サイドの速さが止められなかった。縦に来ると分かっていても止められなかったのが悔しい」と振り返ったように徳島市立は警戒していても、両翼の突破を止められない。前半16分には左サイドの高い位置でボールを持った小山の仕掛けによって左CKを獲得。MF16井堀 二昭(3年)がゴール前に上げたクロスから、DF3阿部 健人(3年)がヘディング弾を叩き込み、静岡学園が先制した。

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