後半はオープンな展開から変わり新潟工ペース。8番山田柊弥を中心にボールを保持する時間を作ることで、10番渡邉大河、7番横山大輝がボールを引き出すタイミングを整える。「前半は兎に角失点ゼロに抑えて、後半間延びした時に、粘り強く戦おうと思った」と曽我秀一監督が後に語ったように、後半は新潟工が真価を発揮する。後半15分、新潟工4番南保純也の楔のパスから、10番渡邉大河の鋭いターンからのドリブルに新潟商はたまらずファール。絶好の位置でフリーキックのチャンスを得るとこれを10番渡邉大河が自ら右下隅に沈め、待望の先制点を奪う。

勢いに乗る新潟工は、後半26分に左サイドから11番柳田元のクロスに15番高橋寿希がヘディングで逸らしリードを2点に広げる。更に後半32分、新潟工8番山田柊弥が右サイドから中央に切り込みながら、左足を一閃。これが見事ゴールに吸い込まれ、3点目を挙げる。新潟工は左サイドで10番渡邉大河が受けた際に、左サイドバックの4番南保純也が必ず回る事で、10番渡邉大河のマークを軽減。また15番高橋寿希が低い位置から前線に駆け上がる機会が増える事でチャンスを量産した。相手に走り負けないサッカーを体現することで見事に3-0で勝利した。次戦、強豪・帝京長岡と対戦する曽我秀一監督は「10番久住悠河を筆頭に新潟商も良い選手がいるのは分かっていたが、新潟工らしく粘り強く戦えた。全国出場を目標にしていきたいが、先ずは強豪帝京長岡との試合があるので、泥臭くチャレンジしたい」と意気込んだ。

(文・写真=石津大輝)

▽第98回全国高校サッカー選手権新潟予選
第98回全国高校サッカー選手権新潟予選