これで前に出るしかなくなった昌平。さらに猛攻を繰り出し、相手に今まで以上の圧を掛けた。残りは10分。嫌な空気も流れ始め、誰もここまでかと思った。だが、本当のドラマはここからだった。72分に左CKからゴール前で混戦に。浦和南がなんとか凌いだかに見えたが、クリアボールが味方DFに当たってまさかのオウンゴール。これで一気に息を吹き返すと、試合終了間際の79分だ。CKからもつれてボールがファーサイドに流れ、走り込んだ柳澤孝太が左足で値千金の逆転弾。これが決勝点となり、昌平が3回戦進出を決めた。
試合後、安堵の表情を浮かべた藤島監督。そうなるのは無理もない。昨年の決勝では0−1から試合をひっくり返され、全国舞台への挑戦権を掴めなかったからだ。去年は1点を守り切れず、勝負弱さを最後の最後に露呈したが、今年は全く逆の展開でリベンジを達成。「選手もチームも違うから去年とは簡単に比較はできないけど、勝負強さが少しずつ出てきた。戦う力は去年に引けを取らない」と指揮官も選手たちの成長ぶりに目を細めた。
3回戦は武南との対戦。再び強豪校との対戦になるが、浦和南戦同様に粘り強い戦いで難敵撃破を目論む。