大活躍の脇野敦至(東福岡)
試合はこのまま終盤に差し掛かり、東福岡が逃げ切るかと思われた。しかし、最後にこの試合最大の難関が待っていた。
試合終了間際の同33分。山梨学院高等学校の原をペナルティエリア内で倒してしまいのPKの判定。東福岡は勝利目前にして絶体絶命のピンチを迎えた。
しかし、脇野がまたしてもチームをこの窮地から救い出す。山梨学院高等学校・MF大場祐樹が右に蹴ったボールを完璧に読み切ってこの場面を切り抜ける。残り時間もきっちり守り切った東福岡が勝利を収めた。
この試合は何と言っても脇野の活躍なしには勝利を掴めなかったと言っても過言ではない。
本来はセカンドGKだったが、正GKの負傷から7月過ぎから守護神に抜擢。正GKが復帰した後も「最終ラインとのバランスを考えて使っている。DFラインの背後のカバーリングポジションとか出るタイミングとかはいいと思う」という森重監督の考えからそのまま起用され続けている。
本人もそこに関しては、「以前も意識していたんですけど、ワールドカップを見ていてノイアー選手の守備範囲が広くていいなと思い、そこへの意識がさらに強くなりました」と変化を口にする。
50mを6.3秒で走るという俊足GKの成長で守備陣が引き締まった
東福岡は17年振りの夏の王者へと輝くべく歩みを続ける。
【取材・文・写真=松尾祐希】