チーム一丸で勝利を目指す星稜

 しかし、後半に入ると「昨日のミーティングでは、相手が前から来ないという情報だったので、自分たちからすると想定外。だから、後半に入ってから対応が遅れたのかなと思います」(鈴木)と言うように相手が同点を狙ってギアチェンジ。立ち上がりから相手に押し込まれる展開が続いた。それでも、後半10分に鈴木がセットプレーから貴重な追加点を上げて苦しかった時間にリードを広げる。

 しかし、同13分。鳥居にこの日2点目なるヘディングシュートを決められ再び1点差となった。その後も途中出場のMF土屋守に決定的な場面を作られたが、集中力を切らさずこのリードを死守。このまま星稜が逃げ切りに成功し、ベスト8へと進出を果たした。

 今日の勝利に関して鈴木は「昨年の総体ベスト8を越える事ではなく、昨年の選手権準優勝を越える事を自分たちは目標にしている。今日の結果は正直嬉しいけれど、そのような意味ではまだ喜べるところには来ていない」と明日以降の戦いに向けて気を引き締めた。選手権準優勝という結果を越えるべく明後日の戦いに備える星稜に死角はない。

【取材・文・写真=松尾祐希】