最後まで攻め手を緩めない
リードを奪ってからは前橋育英に押される場面も散見したが、CB野田裕喜、倉本龍吾ら守備陣が集中力を切らさずにしっかりと対応。奪ってからはリスクを避け、ロングボールで攻撃陣の仕掛けを引き出し、64分には野田のクリアを引いて受けたFW一美和成が右サイドへと展開。途中出場のMF橋田夏希がフリーで抜け出し、シュート。68分にはハーフウェーラインでボールを受けた一美が右サイドへと展開。上がったDF河原創の折り返しを一美がPA中央で合わすなど、最後まで攻撃の姿勢を示しながら、試合を終えた。
「選手一人ひとりが自信を持って良くやってくれた。相手も良いチームでしたけど、個対個の勝負で物怖じせずに戦ってくれた。準決勝という難しい場所でしたけど、素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた」と平岡監督が称えたように攻守ともに高評価を与えられる内容でファイナルに進出した。厳しい戦いを乗り越え、選手たちは逞しさを増している。決勝の相手は同じ九州の東福岡。6月に行われた九州総体で、0-2で敗れた相手だ。「両サイドのアタッカー(赤木翼、増山朝陽)が強烈で、中盤も中島賢星や近藤大輝が僕たち的にはやっかい。前回は何も出来なかったので、リベンジがしたい」と意気込む葛谷だけでなく、チーム全員が2度目の対決に燃えている。前回と違う結末を掴めるか注目だ。
【取材・文・写真=森田将義】