2008、2009年とインターハイ2大会連続で挑みながらも、大津が越えられなかったベスト4の壁。3度目の正直で初めて、日本一への挑戦権を掴んだ。

殊勲の決勝ゴール・坂元大希(大津)

 大津は序盤、MF田原悟、平岡拓己のボランチを中心にパスを回し、「ボールを握れたと思う」(平岡和徳監督)。試合の主導権を掴みながら、機を見てはDFラインからロングフィードを展開し、両サイドMFの古庄壱成、坂元大希の仕掛けや、「平岡先生から『アイツ(前橋育英MF鈴木徳真)に勝てれば代表に入れるぞ』と言われて、勝ってやる!と思っていた」というトップ下の葛谷将平がドリブルからの果敢なシュートで果敢にゴールを狙ったが、ネットを揺らす事が出来ない。対する前橋育英も鈴木とMF小泉佳穂のボランチでボールを動かしながら、右MF坂元達裕らの突破を引き出し、大津陣内に切れ込んだが、シュートまで持ち込めず。両者ともに決め手を欠いたまま、前半を終える。

後半開始直後の38分にはDFの背後をロングボールで突かれ、ゴール前でフリーとなったMF関戸裕希にシュートを打たれたが、「小さいけど、1対1の対応が上手い。ピンチでしたけど、絶対に止めてくれると信じていた」と葛谷が信頼を寄せる守護神・井野太貴が足でセーブする。ピンチを凌いだ大津は試合の主導権を再び掴み、45分には田原からのパスを受けた葛谷が素早く前を向き、PA左にスルーパス。飛び出した坂元がGKとの1対1を作り、落ち着いて右隅に流し込んだ。

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