しかし、後半に入ると足が止まった東福岡はペースダウン。後半開始からMF霞恵介を投入し、システムを4−2−3−1へと変更した青森山田に押し込まれる展開となった。すると、後半24分に裏への抜け出しから、FW松木駿之介にGKとの1対1を決められてしまう。その後も青森山田の人数を掛けた攻撃に押し込まれるが、東福岡はDF小笠原佳祐、DF加奈川凌矢の両CBと2年生守護神GK脇野敦至を中心に堅守を見せて得点を許さない。
 その後もしっかりと守り切った東福岡が決勝進出を決めた。

 この試合も「前半の中で攻め切れたからこそ、うちは得点が取れたのかな」と東福岡・森重潤也監督が語るように、序盤から攻撃の手を休めず相手を攻め切った東福岡

その中でも特に『点の取れるサイドアタッカー』赤木翼が躍動した。再三に渡り左サイドで縦への突破からチャンスメイクをすると、ペナルティエリア内では非凡な得点センスを披露。チームに取って貴重な先制点と試合を決定付ける3点目を奪い勝利に貢献した。明日の決勝でもこの決定力を見せつけ、三冠を達成した1997年以来となる夏の王者を『赤い彗星』が奪還する。

【取材・文・写真=松尾祐希】