貪欲に上を目指す男・畑大雅はアメリカ戦の反省を踏まえ、セネガル戦に向かう
確かな手応えを得ていた。27日に行われたオランダ戦は3−0の完勝。攻守両面で欧州王者を圧倒し、意気揚々とアメリカとの第2戦に臨んだ。だが、蓋を開ければ、速攻と遅攻を使い分ける日本の戦い方が研究されていた。特に若月大和(桐生一)の速さを消す対策は完璧。最終ラインが絶妙なラインコントロールを見せ、日本は背後のスペースを使わせてもらえなかった。
そうした展開の中で初戦よりも可能性を示した選手がいる。右SBの畑大雅(市立船橋)だ。初戦は守備に重心を置いたため、スピードを生かした得意の攻撃参加は影を潜めていたが、このアメリカ戦は積極的に高い位置を取った。後半に入ると、その勢いは増し、3バック気味になった後半はより特徴を発揮。
「後半の途中から3バック気味にして僕を前に出してくれた。サイドバックの位置を高くして、前で(西川)潤とか(若月)大和が良い動きで引き出し、タメが作れていたので、僕も上がりやすかった」(畑)
畑の表情からも自身の出来に手応えを掴んだ様子が伺え、森山佳郎監督も一定の評価を与えた。
「ビルドアップでプレッシャーを掛けられると、ノッキングしてしまう場面もあったけど、(後半の途中に)高い位置を取ってからはよりワンツーからクロスという状況が作れた。彼の良さを少しは出せたと思います」
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