試合とトレーニングを上手く使いながら、状態を上げる取り組みで西川は復調。指揮官も３戦目が終わった時点で「色んな部分で状態が良くなってきた。ここからは全部やってもらう」と話すまでにコンディションは戻っていた。

　だからこそ、万全な状態で迎えた大一番で誰よりも欲していたのは結果。U-20ワールドカップのラウンド16・日韓戦で敗れた悔しさもあり、本人も「16強の壁は超えないといけない」と意気込んでいた中で期待に応えられなかった。ただ、今回の敗退をただの負けで済ますわけにはいかない。ほぼ何もできなかったU-20ワールドカップとは異なり、世界で戦える手応えも得た。「DFと中盤の間で受けて、チームに動きを作る。そして、チャンスを生む。そこは自信になった」とは西川の言葉。U-17ワールドカップで少なからず新たな景色も見えた。この経験を生かせれば、自ずとその先が見えてくるはずだ。

(取材・文＝松尾祐希)