その中で迎えた今大会の決勝。2試合連続でPK戦を制して勝ち上がってきた岡崎城西だったが、ファイナルでは攻撃陣が爆発する。序盤から1トップの星野光を中心に攻勢を仕掛け、試合の主導権を握った。なかなか得点を挙げられなかったものの、28分にスコアが動く。MFの坂神賢亮(3年)がこぼれ球に反応すると、鮮やかなミドルシュートをネットに突き刺した。

 1-0で迎えた2本目。エースの細野晃平(3年)が投入すると、攻撃陣が猛威を振るう。19分に星野の右クロスから細野がヘディングで合わせて追加点。直後の21分にはFKの流れからDF大須賀祥真(3年)がシュート。主将の豪快な一撃でさらにリードを広げた。23分にも星野にゴールが生まれ、わずか4分で3点を奪う鮮やかな攻撃で試合の趨勢を決めた。3本目も勢いは止まらず、10分に細野が加点し、5-0で岡崎城西が勝利した。

 試合後の表彰式では選手たちの感情が爆発。この大会の発起人でもあった金重監督も子供たちの頑張りに頬を緩ませた。また、試合後に金重監督は子供たちを労いつつ、大会開催に尽力してくださった人々に謝意を述べた。

「目指していたインターハイが中止となり、引退した3年生もいました。その中でもう1つ子供たちに大会を作ってあげたかった。その中でこの大会が盛り上がり、熱い戦いを繰り広げてくれましたし、父兄だけでなくいろんな方に応援をしていただきました。本当に良かったです」

 3年生に与えられた活躍の場--。多くの人の協力があってからこそ開催できた大会だった。冬の高校サッカー選手権に向けて、子供たちが気持ちを新たにしたのは間違いない。

(文・写真=松尾祐希)

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