喜びを爆発させる作陽 (写真=矢島公彦)
失点以降、守勢の時間が続き、前半をシュート1本に押さえ込まれていた作陽は、後半から故障明けのエース大森椋平を投入。大森が前線に入ったことで、前線での起点が増えた作陽は劣勢を挽回。前半はボールにかかわる回数が少なかった美濃祥真が攻撃にアクセントをつけられるようになり、作陽ペースで試合が進む。50分には右サイドで得たフリーキックから、杉本が高さをいかしたヘディングを決めて1点差とすると、54分には中島理慶を投入し、選手のポジションを替えながら星稜ディフェンス陣の裏を狙った攻撃でチャンスを作っていく。
前半から一転して守勢に回った星稜は、県予選得点王の佐々木真之介を投入して打開を図るが、勝負のカギとなる次の1点を奪ったのも作陽だった。66分に左サイドで星川玲男が山なりのクロスをゴール前に送ると、再び杉本が高さをいかしたヘディングを決めて2-2。前線の高さを徹底的にいかした攻撃で、作陽が2点ビハインドから追いつくことに成功する。
互いに次の1点を狙い攻め合う試合は、2-2のままタイムアップしPK戦へと突入。5人全員がシュートを成功させた作陽に対して、星稜は3人目のキッカー廣島大雅のシュートをゴールキーパー徳本乃耶がストップ。目まぐるしく攻守を入れ替えながら戦った一戦を作陽が制して、東福岡との2回戦へと進出した。
(文=藤原裕久 写真=矢島公彦)
▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権