日大山形イレブン(写真提供=オフィシャルサポート)
両チームの保護者や関係者が祈るような思いで見つめる中で始まったPK戦では近江高校の1人目のキッカー・冨坂優馬が成功したのに対し、日大山形の1人目のキッカー・佐藤の蹴ったボールは無情にもポストを直撃。その後、両者合わせて7人が蹴ったボールはすべてネットを揺らし、近江高校5人目のキッカー・前山拓海が決めた瞬間、80分間では決着の付かなかった激闘に終止符が打たれた。
試合後、2回戦にコマを進めた近江高校の前田監督は「練習から公式戦を意識させ毎日1本はPKを蹴らせてきた」と明かし、今後については「今日で新しい1歩を踏み出せたと思うし、選手権が終わったときに改めてそう思えるようにするためにも次の試合が大事」と神村学園戦に意欲を見せた。
対して前回出場となった5年前の2014年大会と同じくPK戦での敗退となった日大山形の矢作監督は山形県勢として14年ぶりの勝利を挙げられなかったことに悔しさを滲ませながらも「とにかく無事に試合ができて良かった。大会を運営してくれている実行委員会に感謝したい」とコロナ禍でも試合ができたことにお礼の言葉を述べた。
(文・須賀大輔)
▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権