市立船橋 vs 那覇西
序盤からペースをつかんだのはキャプテンで、ボランチの山川樹(3年)が中心になってボールを動かす那覇西だった。だが、なかなか最終局面まで入り込めない。80分を通して放ったシュートは5本。自慢の攻撃力が鳴りを潜めた。
那覇西の平安山良太監督は「悔しいの一言」と口にし、こう続けた。
「選手権で優勝経験のある市船に対してリスペクトはするが、どうやったら勝てるか、そこをテーマに臨んだ試合。選手たちはひるむことなく、立ち向かっていった。自分たちがやろうとする攻守にアグレッシブなサッカーができた部分もある。伝統校に勝負を挑んで負けてしまったけれど、最後まで戦った選手たちを誇りに思う。胸をはって沖縄に帰ろうと伝えたい」
そうやすやすと足元をすくわれるわけにはいかない追われる側の矜持。何とか牙城を切り崩そうとする追う側の野心。両チームの思いが激しくぶつかり合う緊迫感のある好ゲームだった。
(文・写真=小室功)
▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権