両チームの思いが激しくぶつかり合う緊迫感のある好ゲームを市立船橋が制す

市立船橋 vs 那覇西

 たとえボールを握られたとしても最後の最後のところで自由を与えない。堅守を誇る市立船橋(千葉)が攻撃力にあふれる那覇西(沖縄)を封じ込めた。

 スコアは1対0。辛勝の部類に入るだろうが、次のラウンドに進むうえで、市船は必要かつ十分な結果を手に入れた。

 唯一のゴールを決めた木内拓海(3年)は「県の選手権予選だったり、新型コロナウイルスの影響で縮小されたプレミアリーグだったり、ひとつひとつ厳しい試合を消化していくうちに自信がついていった。それがいい結果につながっている。ただ、これで満足せず、アシストやゴールを続けていくことが大事」と、引き締まった表情で語っていたのが印象的だった。

 開始19分、単純にけってしまうのではなく、後方から丁寧なビルドアップを続ける那覇西の一瞬のミスを逃がさなかった。相手ゴール前で奪ったボールをボランチの佐久間賢飛(3年)が木内にシンプルにつなぎ、それを冷静に右足でけり込んだ。

「1年のころから点を取る感覚が優れていたけれど、最近は少しゴールから遠ざかっていたような感じがあった。こういう大舞台で力を発揮してくれてうれしく思う」と、市船の波多秀吾監督は相好を崩す。

【次のページ】 序盤からペースをつかんだのは

▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権