徳島市立イレブン(写真提供=オフィシャルサポート)

 後半。開始時から左サイドに8小川 心(2年)、43分にFW20小森 雄斗(2年)を入れ、攻撃的守備の継続を促す矢板中央ベンチ。徳島市立・河野 博幸監督も52分に9中山 湧愛(3年)を右MFに入れ、2トップを前川と石井とし、さらに56分には2シャドーの一角を4小林 直人(3年)にして状況の打開を図るものの、飲水タイムまではシュートまで至ることはなかった。
 しかし徳島市立の集力はいささかも衰えず。それが実ったのは64分。左サイド深くで相手DFラインの連携ミスを拾った石井はペナルティーエリア角まで仕掛けて横パス。ニアサイドで前川が突っ込んだことで完全にフリーとなった中田が右足で落ち着いて流し込み同点ゴールを奪いとる。
 以後は矢板中央が直後に坂本を投入するなど5枚全ての交代枠を使い切って勝ち越しを狙い、徳島市立も79分に中田が決定的なチャンスを迎えるも枠を捉えず。80分を終えて決着はつかず、両校は前回大会同様の初戦PK戦へと突入する。

 さらにPK戦も両者5人ずつ全員が決めサドンデスに。6人目のキッカーを矢板中央・藤井が止めて初戦を制した。徳島市立も試合終了間際にGK17藤澤 芭琉(1年)を入れるなど全ての手は尽くしたものの、ほんのわずかの差が明暗を分けた。


▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権