立ち上がりからの好機をものにした富山第一が日本文理大附を下し3回戦進出

富山第一vs日本文理大附(写真=矢島公彦)

 年が明けた2021年1月2日、等々力陸上競技場で第99回全国高校サッカー選手権大会2回戦2試合が行われた。第1試合は立ち上がりからの好機をものにした富山第一(富山)が2-1で日本文理大附(大分)を下し、3回戦進出を決めた。

前半から両校のエース同士が点を取り合う好ゲームに

 2回戦から登場の両校。過去選手権優勝1回、6年連続31回目の出場を誇る富山第一は堅い守りと多彩なセットプレーが特徴。エースFW10番の吉倉昇空は優れた得点能力を誇る。対する選手権初出場の日本文理大附は、全員が攻めて守るハードワークと、セットプレーがセールスポイントのフレッシュなチーム。ゴールゲッターのFW14番垣内太陽に注目が集まる。

 富山第一のキックオフでスタートした試合は、開始早々から富山第一がビッグチャンスを作る。ボールを持った吉倉がドリブルで突破し、右サイドのFW11番松井元冴へパス。さらにパスを受けた松井が中で待つFW14番の天野碧翔にクロスを上げるとすかさずシュートを放つ天野。惜しくも得点には結びつかなかったが、富山第一は流れるような見事な攻撃を見せる。

 すると前半8分、自陣ペナルティエリア内でボールをクリアしようした日本文理大附のDF3番太田龍成がハンドを取られ富山第一がPKを得る。このPKをエース吉倉が落ち着いて決め、富山第一が先制した。

 その後も富山第一がボールを支配する時間帯が続く。どちらが次の点を入れるかが焦点となった好ゲーム。追加点を挙げればグッと勝利に近づく富山第一に対して日本文理大附が同点に追いつけば、そのまま勢いに乗ることも考えられるという中で、点を取ったのは富山第一。FW天野からのボールにMF8番の中川晟が反応してネットを揺らす。このシュートは相手DFを切り返してかわした見事なものだった。

 攻撃の糸口がなかなか見い出せない日本文理大附は前半20分過ぎにサイドからFW20番の木村玲音が攻め込みそのままシュート。ゴールにはならずもリズムを掴みかける。すると日本文理大附は前半30分に反撃。ペナルティエリア内でのDF5番孝井捺希のハンドで得たPKを、エース垣内が左足で豪快に決め1点差に詰め寄る。この1点で日本文理大附が息を吹き返し、ゴールへと迫るシーンが度々見られたものの、富山第一も体を張ってゴールを死守。前半は富山第一の1点リードで終了した。

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▽第99回全国高校サッカー選手権
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