神村学園vs富山第一(写真=矢島公彦)

神村学園は昨年のリベンジに燃えるが“九州キラー”の富山第一は崩れない

 前半は神村学園の多彩な攻撃に対して守備に費やす時間がやや多かった富山第一だが、どこで攻撃へのスイッチを入れてくるかが後半の見どころでもある。しかも富山第一は大塚一朗監督の就任以降、選手権大会で九州勢と8回対戦しているが、すべて勝利しており、“九州キラー”とも言われるほど。神村学園としてはそのジンクスを打破しリベンジを狙う。

 後半は開始早々から10分過ぎまで一進一退の攻防が続くも、神村学園は13分過ぎにチャンスをつかむ。右サイドを駆け上がったDF6番吉田尊が中央のFW福田へクロスを放る。すると福田はヘッドで左サイドのMF小林へ流し、小林がシュート。流れるような攻撃を見せたが、ボールは惜しくもサイドネットにかかる。

 やや神村学園に傾きかけた流れを変えたい富山第一は、後半15分過ぎにFW14番の天野碧翔に替え、県予選で6ゴールのFW9番の浅野綾太を投入。すると富山第一に良いリズムが生まれ始める。

 まず後半20分過ぎに得たセットプレーからのチャンス。キッカーFW10番の吉倉昇空がフェイントを見せつつクロスを放るとDF6番の女川陽生がフリーでシュートを放つも、枠を捉えきれない。続く後半23分には、相手DFからボールを奪ったFW浅野がそのままシュート。これは相手DFが何とかクリアし難を逃れた。

 しかし、選手交替から流れをたぐり寄せた富山第一は後半29分、コーナーキックを得るとキッカーのDF3番富田修平からのクロスにMF7番福岡輝が素早く反応。相手DFと競り合いながらも体を反転させ左足を振り抜くと、ボールはゴールネットを揺らし、ついに富山第一が先制した。

 1点を先制してからも富山第一はハードワークを続け、堅守は崩れない。神村学園はFW福田にボールを集めるも結局ゴールを奪うことはできず、1-0のまま試合は終了。前回大会のリベンジに燃える神村学園を返り討ちにし、対九州勢9連勝を果たした富山第一が8強進出を決めた。

(写真=矢島公彦)

▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権