25日、T1リーグ第11節成立学園帝京の一戦が駒沢第2球技場で行われた。天候が危ぶまれた中大きな乱れはなく、予定時刻の18時にキックオフを迎えたこの試合は、T1リーグ第10節を終えたところで3位の帝京と、僅か勝ち点差2で4位につける成立学園の上位対決。3月に行われた第2節の直接対決では0対0のスコアレスドローに終わるなどここまで互角の勝負を演じてきた両雄の対決は接戦が予想された。

 先日の高校総体では惜しくも優勝を逃すも、準優勝という結果で2年連続となる全国の切符を手にした成立学園は決勝時のスタメンから大幅な入れ替えを敢行。4-4-2の布陣でこの試合に臨む。

 対するは強豪復活に向けての戦いが続く帝京。前節では現在首位の実践学園と引き分ける意地を見せるなど首位追撃のためにも勝ち点3が欲しいこの試合に4-4-2のフォーメーションを組んできた。

 序盤、最初にゴールに迫ったのは成立学園。5分、不動の右SB2番吉田将也が上げたクロスのこぼれ球を8番が狙ったが僅かに右に外れる。続く9分にも右サイドから吉田のクロスでチャンスを作るがゴールには至らない。立て続けにチームのストロングポイントである右サイドからゴールに迫った成立学園のパスワークはスタメンが普段とは異なったこの試合でも健在。ショートパスを繋ぎ、縦パスが入った時の周囲の選手の動き出しが速く、前線へのパスコースを作り出す。この一連の動きがチームとして徹底され、成立学園は試合の主導権を握った。

 「(キックオフから)最初の5分集中」と、試合に対して良い入り方をしようと試みた帝京も決して悪くはない立ち上がりを見せる。右の14番、左の10番という両サイドMFが起点となって攻撃を組み立てると、2トップを張る7番、15番がボールに絡みゴールに迫ったが決定的なチャンスを迎えることはできない。

 すると、パスサッカーという確立されたスタイルを継続する成立学園に最初のビックチャンスが訪れる。25分、中央でパスをつなぎ8番のスルーパスからDFラインの裏へと抜け出した右SB吉田がドリブルで持ち込んで右足を振り抜く。このシュートはGKが弾いてポストに直撃し、先制点とはならなかったが成立学園ベンチも称賛の良い形を作り出した。

 成立学園がポゼッションを高める一方でボランチの位置からしっかりとプレスを掛けて攻撃に繋げていきたい帝京は、2トップが上下の関係性を築き、やや下がった位置でボールを受けることで活路を見出そうとするがやや苦戦気味。30分を過ぎてもシュート0という数字が物語るように攻撃が行き詰まりを見せている状況が続く。そんな中迎えた34分、左サイド押し込んだ位置でのスローインから7番が中央へと繋ぎ、最後は6番がペナルティエリア外からのミドルシュートを放つと惜しくもバーに嫌われた。ようやく初シュートが生まれたところで流れを掴んだ帝京は前半終了間際に決定機。左からのCKを得ると、6番のクロスに15番がヘッドで合わせるが、ゴール右へと外れゴールとはならなかった。

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