11日に開幕した第93回全国高校サッカー選手権大会東京都大会1次予選もいよいよ最終日。迎えた22日、C3ブロック決勝が行われ、2年ぶりの2次予選進出を目指す東京成徳大高と、昨年に引き続き2年連続での1次予選突破を狙う都立葛飾野が駒沢第2球技場で激突した。
記憶に新しいブラジルW杯で日本代表が着用したアウェイ用ユニフォームを連想させる蛍光イエローに身を包んだ東京成徳大高。所属するT3リーグBブロックでも、4勝1敗1分けと好成績を収め、2部昇格を争うチームはこの日も持ち前の攻撃力を武器に序盤から前に出る。
4-4-2の布陣で臨んだ前半開始早々2分にはCKから16番のヘッドでファーストチャンス。さらには8分、左サイドからのクロスをファーサイドで待ち構えていた3番がボレーシュート。9分にはパスカットから20番が自らドリブルで持ち込みシュートを放つなど積極的にゴールを狙う。2トップを組む20番、10番を中心に力強い攻撃を展開した。
そんな東京成徳大高怒涛の攻撃に対して真っ向から対抗したのは都立葛飾野。今大会初戦では都立小山台とのPK戦まで縺れ込む接戦をモノにして勝ち上がると、打って変わって3回戦では都立杉並工相手に7発を叩き込み圧勝。4-4-2の布陣を組んだこの日、泥臭くとも貪欲に勝に行く姿勢が随所で見受けられた。
両者火花を散らす中盤の攻防では激しいボディコンタクトも増えた序盤戦。先手を取ったのは東京成徳大高だった。26分、左サイドを突破した10番がクロス。このボールはシュートまで結び付かなかったものの、流れたボールを拾った12番が右サイドからアーリークロスを送ると、このボールに反応したのは左サイドに残っていた10番。絶妙なファーストタッチからゴールを奪うとこれが待望の先制点。左腕にキャプテンマークを巻く男の一撃で東京成徳大高がリードを奪った。
一方1点のビハインドを背負った都立葛飾野。守備では奮闘を見せるも、攻撃面はほとんど見せ場なし。東京成徳大高の素早いプレスの前にボールを失う場面が目立った。30分には中盤で囲まれボールを奪われると東京成徳大高にスピードに乗ったカウンターを許す。このピンチはGKの好セーブによって難を逃れたが危ない場面を作り出してしまう状況が続いた。
しかしリスクを冒してでも前半のうちに同点を狙うチームの攻撃をFW10番が引っ張った。前線を流動的に動き回りパスを要求することで攻撃を活性化。シュートまで持ち込めないもどかしい展開が続く中で一つの希望となる。