興国 vs 大阪桐蔭
後半開始から同点に追いつきたい興國の怒涛の攻撃が始まる。まずは42分、右サイドを俊足の7番DF南拓都が縦に突破しクロスボールをあげるとゴール前で9番FW杉浦力斗が完璧なタイミングで合わせヘディングシュートを放つも、シュートは惜しくもGKの正面。59分、左サイドからのスルーパスに抜け出した9番FW杉浦力斗がファーサイドに右足でシュートを放つも枠の外へ。63分、右CKから何度もシュートを放つも大阪桐蔭DF陣に体を張って防がれる。64分、右サイドから10番MF樺山諒乃介が得意のドリブルでPA内に侵入しシュートまで持っていくがこれもDFにブロックされる。
興國の猛攻にさらされていた大阪桐蔭も守っているだけではなく、ボールを奪えばボールホルダーを追い越し人数をかけてカウンターに打って出る。その意識があったことでDFラインが下がり過ぎず、興國の攻撃の開始位置を下げさせた。結局大阪桐蔭がこのまま逃げ切り1-0で勝利。
「全国でリベンジする」を掲げ連覇を目指していた興國だったが、最後まで1点が遠くまさかの準々決勝敗退となった。これでベスト4に進んだ大阪桐蔭は決勝への切符をかけて11月7日ヤンマースタジアム長居で金光大阪と対戦する。
「もう最高でした。いいボールをくれた深澤に感謝したいです」決勝点を決めたMF西山秀斗はゴールの瞬間を振り返り「この一週間、興國の事を研究しまくってこの相手だけにはと思ってやってきたんで勝ててよかったです」と話した。「一点取った後引かないように、また二点目行くぞとハーフタイムでも話していた」というように、試合中ピッチでは西山の味方を鼓舞する大きい声が響き渡っていた。「自分たちは個が強くないので、球際やセカンドボール、そういう細かいところを勝っていく」その意識がチームプレーとなって優勝候補撃破に繋がった。
次戦に向けては、「厳しい戦いになると思いますが、気を抜かず一戦一戦チームプレーで戦っていきたい」と意気込みを語った。
(文=会田健司 写真=谷口一樹)
▽第99回全国高校サッカー選手権大阪予選
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