金光大阪 vs 履正社
後半開始から金光大阪はロングスローを中心に履正社を押し込む。すると50分、金光大阪はそのロングスローのこぼれ球に2番DF塩山友弥が右足で合わせPA外からミドルシュートを放つも履正社1番GK杉村斗磨のファインセーブに合いゴールならず。するとここで両監督が動く。金光大阪は切り札12番FW廣瀬大輝を、履正社もジョーカー20番FW廣野大河を投入し勝負に出る。62分、金光大阪のロングスローのこぼれを拾った履正社がカウンターから決定機。右サイド5番DF前田寛太の縦パスに抜け出した8番MF平岡大陽がクロスボールを中に入れるとGKが弾いたところを15番MF池田喜晴が詰めるも1番GK宮前壱爽のファインセーブに合い追加点ならず。
残り時間が10分を切り金光大阪は自陣からでもロングスローで前に出ようとするも、空中戦に強い履正社DF前田が右サイドでことごとくこれを跳ね返す。DF前田は持ち前の縦への推進力も発揮し金光大阪を押し返す。粘る金光大阪も前線にボールを入れて食い下がるもタイムアップの笛が鳴り試合終了。履正社が歓喜の瞬間を迎えた。
この選手権、5回戦からの登場となった履正社のベンチにはこの決勝まで決まって“10番NOGUCHI”のユニフォームが飾られていた。そのユニフォームは2年前の中心選手として履正社の10番を背負い、今年の6月に交通事故で亡くなった野口天葵さんものだ。3年間、野口さんを担任として教えた平野監督は「インターハイは出場したんだけど、僕よりも先に逝っちゃったんで選手権に一緒に連れて行けてよかった」と話し、野口さんのユニフォームを着て表彰式を見守った。今度は全国大会に場所を移し、野口さんのユニフォームと共に選手たちがピッチで躍動する。
▽第99回全国高校サッカー選手権大阪予選
第99回全国高校サッカー選手権大阪予選