開始8分で2点を奪った出水中央が離島勢初の準決勝進出を目指す沖永良部に4-0勝利

勝利の出水中央イレブン

    

 3年連続の4強入りが掛かる出水中央と離島勢初の準決勝進出を目指す沖永良部。強豪校と新鋭の対決で勝負の別れ目となったのは試合の立ち上がりだった。

 11月5日、高校サッカー選手権の鹿児島予選準々決勝が行われ、吹上人工芝サッカー場では出水中央と沖永良部が対戦。出水中央は開始8分で2点を奪って試合を優勢に進め、4−0の快勝で4強入りを決めた。

 スコアが動いたのは開始3分。GK 又吉信志(3年)のキックを起点にゴール前に攻め込むと、FW渡慶次光一郎(3年)が相手GK石井太陽(3年)に倒されてPKを獲得。これを渡慶次が冷静に決め、早い時間帯に先制点を奪った。勢いに乗った出水中央は直後の8分。左SB花吉虹紀(2年)の右CKからCB副島康輝(2年)が頭で合わせて、リードをさらに広げた。
 以降は高い位置からプレスを仕掛け、ボールを奪った後は素早く前線にボールを供給。スピードに長けた前線の3枚が貪欲に仕掛け、決定機を何度も作り出した。31分には相手の背後に抜け出した渡慶次がループシュート。これが相手のオウンゴールを誘い、3−0とした。
 迎えた後半も出水中央が主導権を握る。守備陣もCB副島を中心に相手の攻撃を跳ね返し、付け入る隙を与えない。攻撃陣も追加点を狙い、勇猛果敢に攻め込んだ。後半18分には右サイドから渡慶次がゴール前にラストパス。これを受けたMF谷本啓斗(3年)が豪快にネットを揺らして勝負の行方を決定付ける。その後はFW佐々木春希(3年)らに攻め込まれる場面もあったが、要所を締めてシュートを打たせない。最後まで手綱を緩めなかった出水中央が7日の準決勝に駒を進めた。

 一方、敗れた沖永良部は離島勢初の4強入りを逃す結果に。選手たちは試合後に涙を流し、悔しさを滲ませた。だが、スタンドから大きな拍手が贈られたように、今大会を盛り上げたのは間違いない。

▽第99回全国高校サッカー選手権鹿児島予選
第99回全国高校サッカー選手権鹿児島予選