川之江に「大型高速ウインガー」現る!

堀内剣武(川之江)

 この試合、川之江はFW11佐々木拓弥(1年)を頂点に、攻撃時は「4-3-3」。守備時は「4-2-3-1」に可変するシステムを採用。中でも目を引いたのは左サイドに位置したせ背番号「9」だった。

 その男の名は堀内剣武(ほりうち・けんぶ)。12分には180センチ70キロの大柄から繰り出すドリブルで先制点を奪えば、59分にはゴール左45度からの強烈な左足シュートで逆サイドネットへの2点目。特に2点目のシュートは高校生のそれとは全く異なる「バスッ」という重低音からの低弾道。守備面での活動量はパス精度の低さなど課題は山積しているものの、愛媛県に久々に現れた大型高速ウインガーであることは間違いない。

 しかも堀内はまだ2年生。彼にはゴールを目指す意欲と、他者の意見を聴き入れる謙虚さをさらに高め、四国・日本を代表する存在をぜひ狙ってもらいたい。

 とはいえ敗れた新居浜商も7永易楓己(3年)を最前線に置く4-3-3システムで一生懸命にプレスをかけ続け、70分にはついに川之江ゴールを陥れた点は高く評価できるもの。ゴールで下級生に範を示したキャプテンのDF6池永大翔をはじめとする3年生4人の魂を下級生たちがぜひ引き継いでほしい。

(文・写真=寺下友徳)

▽第99回高校サッカー選手権愛媛予選
第99回高校サッカー選手権愛媛予選