10日、夢の全国を懸けた第94回全国高校サッカー選手権埼玉決勝トーナメントが開幕。埼玉スタジアム2○○2第4グランドで行われた第1試合には、14年ぶりの王座奪還を目指す浦和南が登場し、松山との大会初戦を迎えた。
過去3度の日本一を誇る言わずと知れた古豪の船出、浦和南は序盤から攻勢を仕掛けた。
まずは4分、左サイドで得たFKからチャンスメーク。FW佐藤貴大のクロスにFW香川浩輝が合わせたファーストシュートを皮切りに攻め込むと、その3分後には早くも歓喜の瞬間到来。7分、左サイドをオーバーラップしたDF羽生和真のクロスに、最後はFW香川浩輝が合わせ先制点を奪った。難しい大会初戦、早々のリードが間違いなく彼らに勢いをもたらす。
FW佐藤貴大、FW香川浩輝が組む2トップを起点に前線からの圧力を強める浦和南。この日はハイボールに対する球際の強さが際立ち、プレースキックのみならずロングスローも含めたセットプレーが脅威となる。16分には、ロングスローからゴール前へと押し込むと、最後はMF石井将寛が蹴り込んで追加点を奪って見せた。
一方、格上相手にまざまざとその力の差を見せつけられる格好となった松山。
25分にはFW武井涼の直接FK、29分にはMF大野良騎の突破からMF石垣嵐志がミドルシュートと、シュートチャンスも散見したが、守備への負担が重くなることで攻撃が手薄になった印象。序盤に喫した連続失点が確実にゲームプランの狂いを生み出した。
そんな中次なるスコア変動も浦和南。
31分、最前線で身体を張り続けるFW香川浩輝のポストプレーから右サイドを抜け出したMF田口亮護がゴール。右サイド鋭角からファーサイドネットへと突き刺さる一撃が決まり、浦和南がリードを3点に広げた。
さらに攻める浦和南。何とか反撃の流れを掴むべく失点直後に1人目の選手交代に踏み切った松山を尻目に、前述のセットプレーから4点目を奪う。34分、FW佐藤貴大のCKからMF 石井将寛がヘディングシュートを沈めリード拡大。今大会最初の40分間を最高の形で終えることに成功した。