10日、第94回全国高校サッカー選手権埼玉決勝トーナメントが開幕。埼玉スタジアム2○○2第4グランドで行われたこの日の第3試合は埼玉栄と所沢北の対戦。14時にキックオフを迎えた一戦、07年大会以来8年ぶりの優勝を目指す埼玉栄が、今大会1次予選から勝ち上がった所沢北の挑戦を受けて立つ構図で推移した。
開始早々の連続チャンス創出は埼玉栄。
キックオフを告げる笛が鳴り響いてからわずか30秒余り、所沢北DFラインの背後を突いたFW森山虎太郎がファーストシュート。さらに続く1分、CKに合わせたMF髙橋利樹のヘディングシュートはクロスバー直撃と、電光石火の先制攻撃はゴールに結び付かなかったものの、埼玉栄が前評判通りの積極的な攻撃を仕掛ける。
最前線の明確なターゲットはMF髙橋利樹。今年1月にはU-17日本代表にも選出された埼玉栄が誇る絶対的エースはこの日、左サイドを主戦場に序盤からボールを集めた。7分にはMF石井勇太郎のロングパスを受けたMF髙橋利樹のラストパスからMF福島健太がミドルシュートを放つなどチャンスが続く。また、DF加藤智瑛ら最終ラインから一気に髙橋へと供給されるロングボールは埼玉栄の攻撃的狙いとして覗えた。
対して、格上相手に番狂わせを狙う所沢北は防戦一方の展開。
ある程度の劣勢は織り込み済みではあるものの、攻守に厳しい戦いが続く。攻撃ではショートカウンターから攻略の糸口を掴みたいところだが、前半のシュートチャンスはMF小島拓巳が左サイドを単独で突破した17分の場面くらい。守備においても、チームとして統一されているはずであろうボールの奪いどころがあいまいな印象。GK古川達也、MF川村昂志らの奮闘で凌ぐことが精一杯であった。
攻め続ける埼玉栄、待望の今大会初ゴールは24分。
DFの加藤智瑛CKをDF和氣一真が合わせネットを揺らす。埼玉栄がようやく均衡を破ることに成功し、1点のリードを得て勝負は後半へと突入。