習志野 vs 市立船橋(写真=小室功)

    

 そうこうしているうちに市船が追加点を奪う。68分、右SBの加藤想音(3年)によってリリースされた左CKのボールはいったんはね返されたが、再びクロスを供給。相手が触ったボールに針谷奎人(2年)が反応し、ヘディングで競り勝ちファイナル進出をほぼ確実にした。
 相手にボールを保持されても要所、要所を抑え、最終的に逃げきる。そんなしたたかさが現チームの強みかもしれない。市船の総シュート数は何と3本にとどまっている。

 「昨年のチームには鈴木唯人さん(現・J1の清水)や畑大雅さん(現・J1の湘南)といったタレントがいたけれど、今年はそういう特別な存在がいない。チームみんなで戦おうという意識が強い」とキャプテンの石田がいえば、「球際で勝つ、走る。そこが僕らのよさ」と“10番”の佐久間が胸を張る。
 2点を追いかける習志野は終盤にキャプテンで、CBの吾妻駈(3年)を前に上げて、ゴールへの糸口を探ったが、実を結ばなかった。

 11月15日、市船は2年連続23回目の全国出場を目指し、ライバルの流通経済大柏とぶつかる。

(文・写真=小室功)

▽第99回全国高校サッカー選手権千葉予選
第99回全国高校サッカー選手権千葉予選