第59回大会で浦和南を選手権に導いた石神英徳監督が「背は小さいんだけど、あいつがいるといないじゃ全然違う」と信頼を寄せるのが後方からチームを盛り上げる主将・松田啓治の存在だ。
「僕はこの学校は8年目なんだけど、ああいう存在は意外に珍しい。物静かにもくもくと真面目にやるタイプが多い中で、ああやってキャプテンシーを出して、周りにバーンと言えるようなのがいままでのキャプテンでもあまりいなかった。そういう骨のある子、サッカーで、という子はみんな私立に行ってしまう。ああいうタイプは公立ではなかなか出てこないですね」(石神監督)
そのことについて松田は「自分はあまりプレーでみんなを引っ張るということはできないので、やっぱりチームを鼓舞して、全体を盛り上げるというふうには意識してやっています。なので、そういうところがキャプテンシーという部分に繋がってくるのかなと思います」と分析する。
その信頼が示すように小学校、中学校と部長を務めてきた生粋のキャプテンシーの持ち主だ。草加中ではチームを久しぶりの県大会出場に導き、「自分が積み上げてきたチームで歴史を作れたのは嬉しかった。部活動を選んで良かったなと思いました」とチームを牽引する喜びを知った。
高校でも私学などからの声もあったという中で学びたい学科などもしっかりと考えて越谷南を選択。「ここに入るなら自分はキャプテンをやってチームをまとめようと思っていた。それがうまく繋がって、去年の大会だったり、いまの試合だったりというふうに繋がっていると思います」と松田。最後の選手権に向けては「ひとつひとつ、1週間ごとですけど、しっかり調整して次の試合、次の試合でちゃんと目と鼻の先を見てチームをコントロールできたり、チームを盛り上げて行けたらいいなと思います」。持ち前のリーダーシップでチームを2次トーナメントに導く。
記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登
▽第99回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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