川口青陵 vs 立教新座 (写真=埼玉通信・石黒登)

「大抜擢」に応えた今野朝陽が2ゴール。得点力が持ち味の大型1年生SB

 前半良い立ち上がりを見せたのは川口青陵。中盤のMF倉持廣斗、MF堀江葵利のところからロングボールを配球して相手を押し込み、そこで生まれたセットプレーからゴールを狙っていく。

 一方、開始15分は重心の重さも見られた立教新座もMF高松大地のスピードを生かした速攻などで試合の流れを引き寄せると、クーリングブレーク後は落ち着きを取り戻し、同校らしく後ろから組み立てる形も。そこから左サイドのMF矢嶋佑宇らを起点に連続して攻撃を仕掛ける。

 すると得点はその左サイドからだった。後半31分、左SBの森田幹杜が高い位置でボールを奪うと、そこから1タッチ、2タッチのスムーズな連携でサイドを攻略。森田のクロスにニアでFW中野渡礼旺が潰れて、その裏に走り込んだMF戸祭雄登が左足で流し込んで先制した。

 後半も優勢に進めた立教新座は30分、MF種田要のフリーキックをファーで中野渡がヘッドで折り返し、DF今野朝陽が詰めて追加点。さらにその分後には右サイドの距離のある位置から再び今野が今度は左足でキーパーの上を越す技ありシュートを決めるなど3-0で勝利した。

 次戦は成徳深谷との決戦。成徳深谷は2年前の関東大会予選決勝で敗れた相手だ。「その悔しさを持っているのは多分一番私だと思います」という前田和伸監督はもちろん、現在の3年生はその試合を目の前で見てきた選手たち。2年前は途中出場し、現在チームのキャプテンを務める森田は「あの時は何もできずに飲まれてしまった。今度は自分が引っ張る立場として周りをしっかりと鼓舞しながら、成徳に絶対に勝てるように頑張りたい」と2年越しのリベンジを誓った。

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▽第99回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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