熊谷工vs浦和学院

 リードを奪った後も、ほとんどの時間を守備に費やした熊谷工。相手が15分に1トップから2トップに変更し、30分以降はパワープレーで局面の打開を図ってきた。そうした戦術変更にも動じず、粘り強い守りで決定機を阻止していく。アディショナルタイムにはゴール前で決定機を迎えたが、飯田がライン上で決死のクリア。懸命の守りで1点を守り切った熊谷工がベスト16入りを果たした。

 試合後、選手たちは喜びを爆発させ、ピッチ上で仲間と抱き合った。「みんなでサッカーをするのは今日が最後だと思っていた」と玉井が本音を漏らしたように、誰もが厳しい戦いになることを覚悟していたという。だが、懸命に戦い、最高の仲間たちとボールを蹴る時間が延びた。ほとんどの選手が卒業後は社会人となるため、本気でサッカーと向き合うのは今回が最後。だが、誰もがまだまだボールを蹴りたいと願っている。ノーシードで勝ち上がってきたチームの快進撃がどこまで続くのか。3回戦で聖望学園と対戦する熊谷工に今後も注目したい。

▽第99回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第99回全国高校サッカー選手権埼玉予選