試合後のピッチ

2回戦最大のアップセット--熊谷工が戦前の予想を覆し浦和学院を撃破

 2回戦最大のアップセット--。試合後のピッチが全てを物語っていた。

 10月18日、高校サッカー選手権・埼玉県予選の2回戦が行われ、熊谷工浦和学院と対戦。下馬評はインターハイ予選でベスト4に入った経験もある後者だったが、熊谷工が戦前の予想を覆す奮闘を見せる。

 熊谷工は序盤から技術力と経験値で上回る浦和学院に押し込まれ、自陣で相手の攻撃を受ける時間が続いた。だが、これは想定の範囲内。「目先の選手に外されても構わない。縦に入った時の攻撃はテンポが上がるから、そこだけは付いていく」。新島隆彦監督が手の内を明かした通り、相手にボールを握らせながら、肝の部分を抑える戦い方で勝機を見出す。ピンチは1度や2度ではなく、再三に渡って肝を冷やした。しかし、キャプテンのCB玉江心太郎(3年)と副キャプテンのCB飯田隼(3年)を中心に球際を厳しく寄せ、簡単にシュートを打たせない。粘り強く戦い、前半は無失点で終えた。

 以降も集中力は切れない。ほとんどの時間を自陣で過ごしたものの、高い守備意識で相手のアタックを食い止めていく。そうした守備陣の奮戦に応えたい攻撃陣は後半5分にチャンスを掴む。トップ下の戸塚太陽(3年)が左サイドを突破し、ゴール前に折り返す。これを2年生ストライカー・玉垣尽が押し込み、限られたチャンスを生かして先制点を奪った。

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▽第99回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第99回全国高校サッカー選手権埼玉予選