11月7日(土)、現在J2・5位で初のJ1昇格プレーオフ出場へ邁進している愛媛FCのホーム・ニンジニアスタジアムで「第94回全国高校サッカー選手権大会愛媛県大会」の決勝戦が行われ、第3シードの
松山工がノーシード・
帝京第五に9対1で勝利。3年ぶり5度目の全国出場を決めた。
12時、松山工キックオフで始まった試合の序盤は接点が数多く生まれる激しい展開となる。4-3-3システムの帝京第五が現役時代は
国見(長崎)・国士舘大でFWとして活躍し、就任6年目を迎える植田洋平監督の下、帝京第五が主将のボランチ三浦康平(3年)を中心に国見全盛時代のごとく身体をぶつけるようなディフェンスからの速攻で立ち向かえば、松山工も現役時代は第68回大会で南宇和が愛媛県勢初の全国制覇時の主将。今年4月からコーチに就任した大西 貴コーチ(元:サンフレッツェ広島)いわく「信頼はしていないが、信用はしている」選手たちが4-4-2のシステムから配置を自在に動かす組織的な攻守で対抗した。
そんな中で迎えた16分。左サイドからの仕掛けをクリアした帝京第五守備陣の出足が一瞬止まったのを松山工ボランチ・越智楓岳(3年)は見逃さなかった。最初のトラップでボールをシュートできる位置へ運び、右脚を振りぬく。「平日は毎朝6時半にグラウンドへ行って、石井 隆之介(1年)と一緒にシュート練習していた」成果は、30メートル近く先にあるゴールネットに突き刺さるファインゴールで実る。
松山工は続く24分、右CKからのこぼれ球をCB筑波柊(3年)がこれも見事なボレーで2点目。坂本哲也監督いわく「練習していて確実に取れた」セットプレーでさらに勢いを得た彼らは、28分・29分と続けざまに得点を奪い前半だけで4得点。帝京第五も2枚を変える交代策で逆転へのパワーを作るろうとしたが、交代策直前・直後に3点目・4点目を失ったことで勝利への道筋を失ってしまった。