青森山田28番松木玖生(写真=森田将義)

 「前半から良いセットプレーやゴールに迫るシーンが多かった。それで点数を獲れたので、良い流れを持ってこれた」と松木が振り返る通り、良い流れで試合を進めた青森山田は後半2分にも、ゴール前に低く入った安斎の左CKが直接ゴールに吸い込まれ、リードを2点差とした。追加点によって更に青森山田の勢いは止まらない。前線からの積極的なボール奪取によってチームの士気を上げながら、「この大会を通して、この試合が一番運動量多くプレーできた」と話す松木や73番安斎颯馬がシャドーの位置から積極的に前方に飛び出した。後方からもタビナスが攻撃参加を繰り返し、厚みのある攻撃を繰り出すと16分には右クロスをファーのタビナスが折り返し、名須川が落としたボールを藤森が冷静に決めて勝負あり。攻守両面で日大藤沢を圧倒した青森山田が優勝に王手をかけた。

 グループリーグでは苦しみながらの勝利が続いたが、大会が進むにつれ本来の青森山田が持つ力強さや勝負強さが鮮明に出てきた。タイトルへの欲望も強く、藤原は「この大会を優勝して終わるのと負けて終わるのでは大きな差がある。ここで結果を出せば、秋と冬に繋がるし、結果を出すのが一番の成長に繋がる。シビアな中にも楽しさはある。大会や試合がこれまでなかった分、単純にサッカーは楽しいと思っている」と口にする。最終日の決勝戦も力強さを見せつけ、歓喜に沸くつもりだ。

(文・写真=森田将義)

▽第8回和倉ユースサッカー大会2020
第8回和倉ユースサッカー大会2020