筑陽学園vsアビスパ福岡U-18(写真=森田将義)

 出鼻を挫かれる格好となったが、「最低なシチュエーションを想定しながら、みんなでやってきた」(石井)。すぐさま反撃に出た福岡U-18は、直後の19分にDF山本隼輔のパスからゴール前を抜け出した石井が同点弾をマーク。33分には、FW角田朋輝、石井が繋いだボールを3列目から飛び出した藤原が冷静に決めて、試合をひっくり返した。「流れを作るばかりじゃ点は入らないんで、自分で裏に抜け出した。良い感じでボールが入ったので、決めるだけでした」(藤原)。後半12分にも左後方から藤原が入れた浮き球を牛鼻が頭で合わせて、筑陽学園を引き離した。

 対する筑陽学園は、「幸先良いスタートを切れたので、そのままの流れで行きたかったけど、チームの弱さである守備の甘さが出た」(大嶋)ため、先制後は連続失点。後半もボールが奪えず、守勢に回る時間帯が続いたが、「攻撃をすることで守備の時間を減らしたかった。前で奪ってシュートを打とうと意識した」(大嶋)。パス感覚に長けたMF北野真平や途中出場MF瀬戸千太郎のルーキーコンビによる果敢なプレーにも後押しされ、26分には右を抜けたMF内田潤がゴール前にパス。MF岩崎巧のダイレクトシュートがMF石橋翔太に当たってゴールに向かったが、CKに終わった。

 その後は再び、福岡U-18のペースとなり、残り10分でFW真木凌と石井が加点。2点を奪い勝利の立役者となった石井は、「試合の中で自分たちと相手の流れがあったけど、自分たちがやろうとしていることが明確に出せた。守り切るのではなく、3-1、4-1になっても相手の背後を狙い続けたり、ボールを保持して主導権を握り続けることができた」と笑みを浮かべた。

(文・写真=森田将義)

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