大津 vs V・ファーレン長崎U-18(写真=井芹 貴志)

 「前半は相手をリスペクトしすぎて、フワッと入ってしまった」と村上佑介監督が述べた通り、後半に入ると長崎U-18も徐々にペース掴んで、ボールを動かしながら前に運ぶ場面が増えていく。ただ、58分にMF柿本聖太(2年)、63分にはFW中野亜嵐(3年)と、ともに交代出場したアタッカーがタイミングよく抜け出す形から決定機を迎えるが、わずかに精度を欠いて得点には至らない。
 一方の大津は、59分に立て続けに迎えた決定機を跳ね返されるなど追加点を奪えず時間が進んだが、終盤の83分、ペナルティエリア外やや右寄りの位置で得たフリーキックを宮原が直接決めて4−0。終盤の長崎U-18の攻撃も抑えて無失点で4連勝、勝点を12とし、Bグループ首位をキープした。

 「昨年末に対戦して大敗していたことがモチベーションになっていて、お互いに無敗といういいタイミングでのゲームと捉えていました。4つのうち3つがセットプレーですが失点は失点。明確な力の差を感じました。ただ相手のウィークをつきながら、落ち着いてボールを回す時間もあった。後半のような戦いが前半からできるよう、メンタルをもっと成長させなければいけないと感じました」と、長崎U-18の村上監督。早いプレッシャーを受けてのミスが多かったため、フィニッシュに持ち込む回数自体を十分に作れなかった。
 一方の大津は、4試合で18得点と攻撃力が目立つが、この試合では守備への切り替えの早さや球際の激しさ、中盤の選手たちのカバーリング、そして最終ラインの強さも目立ち、安定したディフェンスが破壊力ある攻撃を支えていることを示す一戦となった。

(文・写真=井芹 貴志)

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