徳島ヴォルティス内定の西野太陽が先制ゴールもチームは逆転負け(写真=雨堤俊祐)

 平野監督は竹腰を「ミスが少ない、アベレージの高い選手。今日の得点のように、スペースを見つけて走りこむこともできる」と評価する。ボランチを主戦場とする竹腰は、開幕戦からMF平岡太陽(3年/湘南内定)とコンビを組み「運動量が豊富で攻守で頼もしい存在」(竹腰)という先輩と共に中盤を形成していた。この日は平岡が軽傷により大事を取って欠場したが、負傷離脱から復帰したキャプテンのMF赤井瞭太(3年)がボランチに入ったことで「赤井さんはチームのバランスを見れくれるので、僕は思い切って前へ出て行きました」とコンビを組む相手の特徴も踏まえて自身のプレーを微調整する器用さを見せた。

 また、開幕戦の京都サンガU-18との対戦も刺激になったようだ。中学時代は京都U-15でプレーした竹腰にとっては古巣との対戦となり、そこで好パフォーマンスを見せて勝利に貢献。「燃えていたし、あの試合でいい波に乗れました」と振り返っている。技術やゲームメイクは京都U-15の頃から持ち味だったが、一方で「以前はあまり走るタイプではなかった」。それがハードワークが求められる履正社で試合に出る為に運動量や走力を身に着けるなど、成長を続けている。

 履正社はこれで6試合を消化して、全日程が終了。4勝1分1敗の勝点13でAグループ2位となった。1位のC大阪U-18とは勝点と得失点差で並び、総得点により惜しくも首位の座は逃したが、平野監督は「チーム内の競争や選手権予選に向けてのチーム固めなど、ベースはできた。今日も京都橘の強力なFWコンビを良く抑えるなど、守備陣も高い安定感を見せてくれた」話し、井谷も「守備で前からのプレスの勢いや『ここではめる!』という意思統一が良くなっている」と手応えを感じている。

 10月中旬から挑む高校選手権の大阪府大会は強豪校がひしめく難関だが、今大会で得た自信を胸に、全国大会への切符をつかみに行く。

(文・写真=雨堤俊祐)

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