星稜vs丸岡(文・写真=森田将義)

 前半終了間際に奪った丸岡のゴールが、この試合の分岐点となった。「2-0になり、もう一点必要な状況から1点を返され、チームの雰囲気が悪くなってしまった」(千葉)星稜に対し、丸岡は「1点を獲ってから、皆のやる気が出た」(田邉)。特に一進一退で進んだ後半の序盤を乗り越えると、交代で入った選手の思い切りの良いプレーによって、丸岡の勢いは更に加速した。後半23分には右サイド高い位置でボールを奪った新堀が素早くゴール前にパスを入れると、反対サイドのMF田中遥人がゴール前で合わせて同点に。25分には、中盤でボールを奪ったMF道苗慶士朗が左サイドに展開。田中が縦を抜け出し、ゴール前に速いボールを入れると伊藤が合わせた。

 ルーキーの伊藤は、この試合が初スタメン。「ゴール前に入って、合わせるだけだった」と振り返る値千金のゴールで勝ち越した丸岡は、残り時間を上手く逃げ切りタイムアップを迎えた。リーグ初勝利を手にして、順位決定戦行きへの望みを繋ぐ以上に価値がある。主力の半数近くが不在という中で、チャンスを手にした選手が好プレーを披露。小阪監督は「怪我している子たちは焦っていると思う。夏以降怪我人が多くチームとして苦しんだが、今になって科学反応が出てきた」と口にする。実際、MF飯田晃明は「下からの底上げを感じる。自分が出ていない試合でも勝てたのは嬉しいけど、悔しさもある。更に自分も上を目指さないといけない」と闘志を燃やす。選手権予選が本格する10月以降は激しい競争をチーム力に変え、3年連続での全国行きを掴み取る。

(文・写真=森田将義)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2020 北信越
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