第93回全国高校サッカー選手権東京都大会は12日、準々決勝全8試合が各地で行われた。西が丘行きの切符を賭けたBブロックラウンド8、都立東久留米総合がホームに都立駒場を迎えた一戦は戦前の予想通りハイレベルな激戦となった。

 曇天の中迎えたキックオフ、開始早々攻勢を強めたのは白のユニフォームでこの一戦に臨む都立東久留米総合。今季の対戦成績で2勝1敗と上回る相手に4-4-2の布陣を敷いて積極的に前に出るとファーストシュートは1分、右サイドで得たFKから最後はMF永井恒輝がカットインからシュート。続く2分にはMF大畑和樹のFKをDF柴田寛生が頭で合わせるなどセットプレーを確実にシュートまで結びつける立ち上がり。

すると、なおも右サイドを起点にチャンスを作り続ける都立東久留米総合に先制点が生まれたのは試合開始からわずか6分。右サイドに流れたFW今村優太が深い位置からクロスを送ると、ゴール前飛び込んだのは2トップとして今村とコンビを組む朝倉一寿。相手DFと縺れ合いながらも頭で合わせネットを揺らした。

 一方、試合前「チャレンジャーで行こう!」と意気込んだ都立駒場は攻守ともに後手に回る苦しい立ち上がり。主にCBを務める主将末永直輝をアンカーに配置する4-1-3-2のシステムを組み、中盤の強度を増す形で試合に臨んだが狙い通りに機能しない印象。セカンドボールをことごとく拾う都立東久留米総合に中盤で主導権を握られた。

しかし防戦一方の展開が続いても決して焦らないのが関東大会王者。総体でも4強入りを果たすなど今季結果を残してきた都立駒場が苦しい時間にワンチャンスをモノにする。22分、右サイドからのパスを中央で受けたのはエースとしてこれまでもチームを牽引してきたFW吉澤泰成。難しい体勢からでも右足を振り抜く点取り屋らしさ全快のシュートがファーサイドに突き刺さりこれで同点。圧倒的に劣勢の状況に置かれていた都立駒場がこの1点で少しずつ息を吹き返した。

 試合は前半も残り10分辺りから少しずつ落ち着きを見せ始めると、さらなるゴールシーンはお預け。1対1でハーフタイムへ。接戦模様を呈してきた勝負は後半へと委ねられる。

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