後半早々の1分に東京朝鮮中高級学校、ハン・ヨンテが前線でボールキープしそのままクロスを上げるが、コ・スンドクがこれをうまく合わせることができず、先制点ならず。

 そして、ついに均衡を破ったのは、保善。25分、左からのCKにファーサイドの大野慶彦に合わせる。このボールを大野慶彦が高い打点のヘディングで折り返すと吉楽徳馬がコースを変えてゴールに流し込みこれで先制。反撃に出たい東京朝鮮だが30分にリ・キョンチョルがこの日2枚目のイエローカードを受けてしまい1人少ない状況になってしまう。流れは保善に傾きだす。32分に左サイドを綺麗に崩し小澤和司がクロス。フリーで走りこんだ舟越裕哉が押し込み追加点。厳しい状況になった東京朝鮮中高級学校だが試合再開キックオフ直後に前線にCBからFWにポジションチェンジしていたチェ・フィジョンが競り勝って裏に抜け出したハン・ヨンテがGKのポジションをみてループシュートを放ち1点を返すことに成功。

 最後まで諦めない東京朝鮮中高級学校だが、運動量の落ちない保善の壁を崩せず、タイムアップの笛が鳴り響いた。一人一人が最後まで戦い抜いた好ゲームは保善の勝利で幕を閉じた。

【取材・文=佐々木竜太】