青森山田中学校 vs サガン鳥栖U-15

 前半3失点した青森山田はハーフタイムで3人交代し、後半は前から圧力をかけることで本来持つ強度の高いサッカーに切り替えてチャンスを作る。システムは1-4-4-2のままだが、交代出場した藤原大弥(リベロ津軽)が左サイドに突き出る形の3トップ気味にし、シャドーを2枚にした1-4-1-2-3となり前線から圧力をかけボールを支配する。対するサガン鳥栖は前半と全く違う戦略で後半は対応。前半はロングキックとセカンドボール回収、そしてそれに伴うハイプレスで青森山田陣地に攻め込み続けていたが、後半は突然の強風で風下になったことと3点差を計算し、ハーフラインまではあえて青森山田にボールを持たせる戦略に変えてきた。ボールを奪ってからは攻め急がずに丁寧なショートパスによるポゼッションサッカーに切り替えてきた。そして時折繰り出すロングカウンターによって勝負をつける4点目と5点目が生まれた。前掛かりになって出来た青森山田陣地のスペース深くまでドリブルで侵入し、そのままシュートに持ち込む個人技で徳村と先田颯成(ガン鳥栖U-12)が追加点をあげ勝負を決めた。後半は徳村が青森山田の縦方向のパスやドリブルをことごとく潰し、攻守に渡ってMVP級の活躍をした。不戦勝によるサガン鳥栖の体力的優位や突然の強風などもあるが、青森山田は前半の早いうちから後半のような戦い方が出来ていれば違う結果になったかもしれない。

(文・写真=編集部)

▽第32回全日本U-15 サッカー選手権大会
第32回全日本U-15 サッカー選手権大会