青森山田MF松木玖生(写真＝松尾祐希)

　Jクラブの下部組織や高体連の強豪チームが参加するサニックス杯ユースサッカー大会が３月18日に開幕し、高校サッカー選手権において過去5年で2度の優勝を誇る青森山田は昨年度の同大会でベスト4に入った帝京長岡と対戦。黒田剛監督が「プレミアリーグを想定して戦いたい」と話した青森山田は序盤からゴールを積み重ね、幸先の良いスタートを切った。

　青森山田は4-4-2の布陣でキックオフを迎えると、立ち上がりから猛攻を仕掛ける。3分に左サイドをMF小原由敬が突破し、ゴール前にクロスを供給。ファーサイドでCB丸山大和（2年）が折り返すと、最後はMF松木玖生（2年）が巧みなターンからネットを揺らした。直後の5分にも左S B多久島良紀（1年）のロングスローから決定機を得ると、CB三輪椋平（2年）がファーサイドで合わせる。このボールを丸山が頭で押し込み、青森山田は僅か5分で2点を奪った。

　リードを広げた後も、攻撃の手を緩めない。2トップに入る渡邊星来（2年）、名須川真光（2年）が積極的にプレスへ行くと、高い位置でボールを奪取。そこからトップ下の松木がボールを展開し、サイドハーフの藤森颯太、小原が個人技で局面の打開を図る。守っても“青森山田らしい”球際の強さを発揮し、アンカーの宇野禅斗（2年）を軸に相手に自由を与えない。トップ下の廣井蘭人（1年）などに良い状態でボールを受けさせず、ビルドアップ時もCB松村晟怜（2年）の持ち上がりを阻止した。

青森山田 vs 帝京長岡(写真＝松尾祐希)

　攻守で相手を圧倒すると、20分にはペナルティエリア内で仕掛けた渡邊がPKを獲得。これを松木が決め、3点目を難なく奪った。

　後半に入っても青森山田の勢いは止まらない。左サイドを突破した名須川がゴール前に折り返すと、松木が左足で蹴り込んでハットトリックを達成。61分にも再び名須川が左サイドからクロスを入れ、藤森がネットを揺らす。直後の66分には藤森のクロスから丸山がゴールを決め、67分には名須川のラストパスから途中出場の田澤夢積（2年）が加点した。終わってみれば、7-0の大勝。青森山田が前評判以上の強さを見せ、リーグ戦開幕に向けて順調な調整ぶりを示す結果となった。

(文・写真＝松尾祐希)