「走り勝つ、競り勝つ、拾い勝つ」の大阪商大堺が堺西との堺対決を制し6回戦進出!

2点目のゴールを決めて喜ぶ16番MF十川能人

 5月29日、令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選の5回戦が行われ、大阪商大堺が3-0で堺西に勝利し6回戦に進出した。勝利した大阪商大堺は6回戦で8強入りを目指し強豪近大附と対戦する。

 4回戦を共にPK戦の末勝ち上がってきた両チームの対戦は、立ち上がりから大阪商大堺が堺西を押し込む。9番MF荒川進平、20番MF美坐颯斗、22番FW山中光生が流動的にポジションを変えながら裏に抜け出し敵陣深くまで侵入し、CKとロングスローも織り交ぜて次々とチャンスを作っていく。しかし堺西もキャプテン2番DF木村綾斗と1番GK大町尚暉を中心に粘り強いディフェンスでなんとか序盤を無失点で凌ぐ。しかし堺西は相手の攻から守への切り替えの速さの前に後手を踏み、中盤でパスが繋がらずセカンドボールも拾われてしまい防戦一方になる。すると31分、大阪商大堺は右CKをショートコーナーではじめると、クロスをニアで逸らしてファーの5番DF松本良亮がヘディングシュートを決めてゴール。先制点をあげ更に畳みかける大阪商大堺は34分、左サイドをオーバーラップしたDF松本のクロスを16番MF十川能人が上手くコントロールしてシュートを決める。大阪商大堺が分厚い攻撃で追加点を奪った。

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 2点ビハインドで後半に入り反撃に出たい堺西は10番FW原田七輝のキープ力を起点にしてラインの押上げを図る。しかし追加点を決めたのは大阪商大堺。48分、PKを獲得するとMF美坐が落ち着いてGKの逆を取りゴール右に決めた。攻撃の手を緩めない大阪商大堺は長身の18番FW櫻木真生琉オビンナを投入し更に追加点を狙う。しかし堺西守備陣も踏ん張り追加点は許さず、そのまま終了のホイッスルが鳴り、3-0で大阪商大堺が勝利した。

 先制ゴールを決めた大阪商大堺の5番DF松本良亮は「この前も点を取ったんですが、今日も取ろうと思っていました。(2点目のシーンは)ずっと左で崩してからのクロスをあげる練習をしていました」とゴールとアシストのシーンを振り返り、「今日は絶対に負けられない試合だと思って死ぬ気でいきました。前から守備に行ってカバーもしっかりしてセカンドボールを狙うっていう、みんなで連続した守備を心掛けていました」と試合を振り返り、「次も強い相手ですが『走り勝つ、競り勝つ、拾い勝つ』の意識で頑張ります。攻められると思うんですが、0-0のPKでもいいので粘って勝ちたいと思います」と次戦に向けて意気込みを語った。

この試合1ゴール1アシストの活躍だった5番DF松本良亮

 勝利した大阪商大堺の能智景三監督は試合後「今日はいつもお世話になっている堺西さん相手で、試合以外の面でも本当にお世話になっていて、指導者もお互いよく知っていて切磋琢磨させてもらっている仲なので、こういった舞台で試合ができたことがありがたいと思っています。そういう感謝の気持ちとこのピッチに来れていない応援してくれている人々の為に闘志を燃やそうと選手たちに伝えていました。選手たちも気持ちが入ったいいゲームをしてくれたと思います」と試合を振り返り、「うちは『走り勝つ、競り勝つ、拾い勝つ』がチームのモットーで、それは上田亮三郎総監督の大阪商業大の縦縞のユニフォームをお借りさせていただいているので、大学の方やOBの方達にも見ていただいた時に『がんばってるな』と思っていただけるように、そのプレースタイルに対しては一生懸命にやらせていただいています」とチームのプレースタイルについて語った。この試合で目立ったショートコーナーやロングスローなどのデザインされたセットプレーに対しては「それは練習の中で選手達とざっくばらんに楽しみながら『これええな!これでいこうか!』と話しながらやっています」と話し、「次は近大附属さんですので、監督の山田先生は私が現役の頃から指をくわえて憧れていた方なので、山田先生が築き上げてきた伝統のある近大附属さんとちょっとでも試合になるように頑張らせていただきます」と次戦への意気込みを語った。

(文・写真=会田健司)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選