山形ユースがクラブユース東北予選の雪辱果たし仙台ユースに逆転勝利

逆転ゴールを挙げ喜ぶ山形ユース主将MF内山純(写真=小林健志)

  高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ東北は6月19日、延期となっていた1試合第3節モンテディオ山形ユース-ベガルタ仙台ユース戦がスポーツ山形21石鳥居グラウンドにて行われた。4月まで公式戦を行えなかったモンテディオ山形ユースはこの試合が4試合目。5月中旬まで公式戦を行えなかったベガルタ仙台ユースは3試合目となった。

 この2週間前の6月5日、7月に開催される日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の東北予選となる、東北クラブユース(U-18)サッカー選手権大会決勝でも両者は対戦した。その際は山形ユースがFW馬場卓未(2年)のゴールで先制しながら、試合終了間際に仙台ユースがセットプレーからDF太田翔瑛(3年)が同点ゴールを挙げ、延長戦でMF須田菖太(3年)が逆転ゴールを挙げ、仙台ユースが優勝を決めていた。

 そうした中迎えた試合。立ち上がりは「引いてブロックを作るよりも前から行くことを選択した」と木谷公亮監督が語った通り、仙台ユースが攻撃に人数をかけ、山形ユースに圧をかけた。そして17分キャプテンMF淀川誠珠(3年)のクロスを長身の太田がヘディングで落とし、こぼれ球をMF齋藤滉介(2年)がゴールに押し込み先制に成功した。

 「仙台ユースさんにはセットプレーでやられていて今回も失点し、苦しい試合になった」とキャプテンのMF内山純(3年)が語った通りセットプレーでの失点で嫌な雰囲気が漂った山形ユースだったが、その後左サイドから何度かフィニッシュに持ち込む形を作り、反撃のチャンスをうかがった。そして27分左サイドバックDF羽角康生(2年)のクロスを受けたMF高橋凛央(1年)がゴールを決めて同点に追いついた。

 勢いづいた山形ユースは32分MF荒井涼太(3年)が左サイドを突破し、クロスを受けたのは内山。「涼太が良い形でサイドを突破してクロスを上げてくれたので流し込むだけでした」と語った通り、落ち着いてシュートを決めて山形ユースが逆転に成功した。

 さらに45+1分には「前にスペースがあったので運んだのですが、中に誰もいなかったので、自分が入って行ってシュートしました」と荒井が左サイドのドリブル突破からカットインしてシュートを決めて3-1と仙台ユースを突き放し前半を終えた。

【フォトギャラリー】モンテディオ山形ユース vs ベガルタ仙台ユース

前半終了間際チームの3点目を挙げた荒井涼太と喜び合う山形ユースの選手たち(写真=小林健志)

 後半も山形ユースの勢いは止まらず、52分にはFW武石賢吾(3年)が右サイドを突破してのクロスに合わせたのはまたも荒井。「相手のDFがボールウォッチャーになっていたので、その後ろに行けば点が取れると思いました」という狙い通りのゴールが決まって、3点差とした。その後は仙台ユースも選手を入れ替え反撃を試みたが、山形ユースの守りを崩せず、4-1で山形ユースが勝利し、クラブユース選手権東北予選での雪辱を果たした。

 山形ユース内山俊彦監督は「チームでやろうとしていることを表現してくれてゲームモデルのあった試合でした。ボールを大事にして主導権を持ち、ゴールを取る迫力もありました」と相手のサイドのスペースを突き続けた選手たちの頑張りを讃えた。また、2週間前仙台ユースに敗れた悔しさもバネになったようで、2ゴールの荒井は「負けられない試合だったので、勝てて良かったです」とリベンジできたことを喜んだ。7月末のクラブユース選手権全国大会に向けて内山監督は「もっと精度を上げないといけません。スコアや時間帯によってやりたいことをやりきれない部分もありました。勝ちながら成長したいです」とさらなる高みを見据え、キャプテンの内山も「パス一つ、出す足一つにこだわって、高い質を求めて練習して行きたいです」と意欲を見せた。

 一方の仙台ユースだったが、相手のサイドアタックに苦しみ4失点。木谷監督は「特に点を奪った後、ゲームを落ち着かせられず、一番抑えなければいけないスペースを使われてしまいました」と悔やんだ。先制ゴールの齋藤も「前からプレスに行ったのですが、全然はまらなくて、相手にスペースを与えてしまい攻められて流れが悪くなってしまいました」と反省の弁を述べた。3試合を終えまだ勝利が無い仙台ユースは、来週末26日に聖和学園高、30日に尚志高、7月3日に遠野高と中2~3日でのアウェイ3連戦が待ち受ける。コロナ禍の影響による過密日程の中、どうチーム状態を立て直すか注目したい。

(文・写真=小林健志)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 東北
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 東北